博多総鎮守・櫛田神社【博多区上川端町】

博多といえば櫛田神社、「お櫛田さん」と呼ばれ愛されている博多総鎮守で,博多の人にとって櫛田(くしだ)神社は、地域や生活に密着した身近な存在です。


また、博多を代表するお祭り「博多祇園山笠」の中心となる神社でもあります。

総鎮守(そうちんじゅ)とは、地域を守っている神社をさらに広い範囲でまとめている神社をいいます。
日本総鎮守は愛媛県今治市にある大山祇(おおやまづみ)神社です。

櫛田神社を何倍も楽しむことができるよう、歴史や境内の見どころを詳しくまとめました。

ご祭神

案内板には「祇園宮」素盞嗚神(すさのおおおかみ※以下スサノオ)、「櫛田宮」大幡主大神(おおはたぬしおおかみ)、「大神宮」天照大神(あまてらすおおみかみ※以下アマテラス)と書かれており、3つの宮を祀ってます。

それぞれのご祭神はこちらです。

私たちが祭神です

スサノオは、イザナギから産まれた三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)のひとりで、アマテラスとは姉弟です。

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スサノオ

荒々しい性格ですが家族思いな一面があります。ヤマタノオロチを退治してクシナダヒメと結婚しました。

大幡大神はアマテラスに仕えたとされる神様です。

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大幡主大神

北陸を討伐する際、大きな旗をかかげて戦いにかったことから、「大幡主(おおはたぬし)と呼ばれています。

アマテラスは日本神話で主な神様として登場します。

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アマテラス

女神で太陽神です。弟であるスサノオの横暴にショックを受け、天岩戸(あまのいわと)に隠れる「天岩戸隠れ」をしました。アマテラスを祀る神社は「明神(みょうじん)神社」と呼ばれ、その総本社は神宮(伊勢神宮)です。
それぞれの宮の「紋」は「私たちが祭神です」の神様のイラストの各右下に記載してます。
向かって左から「祇園宮」スサノオ、「櫛田宮」大幡主大神、「大神宮」アマテラスです。
奥に3つのお宮があります。
ご利益は縁結び、商売繁盛、夫婦円満、不老長寿です。

歴史

「祇園宮」「櫛田宮」「大神宮」はもともと別々の場所にありました。

社伝では757年、三重県松阪にあった櫛田神社を勧請(かんじょう)したことに始まるとされています。

勧請とは、祭神を他の土地に分霊し迎え祀ることをいいます。

松阪にあった櫛田神社のご祭神であった大幡主大神がアマテラスに仕える一族であったことから、アマテラスも一緒に勧請されたと伝えられています。
そして平安末期、平清盛が所領である肥前国 神埼(佐賀県神埼市)にある「櫛田宮」を日宋貿易の拠点とした博多に勧請しました(所説あり)。
戦国時代、島津藩との合戦で荒廃していた博多のまちを、1587年、九州平定に成功した豊臣秀吉が博多復興のため現社殿を再建、寄進し、今に至ります。

櫛田神社という名前の由来

佐賀県神埼市の櫛田宮のご祭神のひとりはクシナダヒメです。
クシナダヒメは櫛名田姫と書きます。全国にある櫛田神社では、その字の通りクシナダヒメをご祭神と祀っていますが、博多の櫛田神社だけはクシナダヒメを祀っていません。
祀ってないのにもかかわらず、「櫛田神社」になっている理由については、もともとはクシナダヒメを祀っていたという説があるようですが、真偽は不明です。

 

以上、豊臣秀吉が現社殿を再建したことは明らかですが、神社の名前の由来やその他の歴史については「諸説あり」という現状です。

境内

境内マップはこちら。

正門

赤丸①

干支恵方盤

赤丸② 正門をくぐると頭上に干支恵方盤があります。

毎年大晦日に新しく迎える年の恵方に針を合わせてます。

手水舎・中神門

赤丸③④

拝殿

赤丸⑤
拝殿の屋根の造形である破風(はふ)には風神雷神の木彫りが掛けられています。

雷神(左)は一緒に暴風雨を起こそうと風神(右)を手招きしますが、神社の氏子の願いを聞いた風神はそれに応じず、「あっかんべー」をして拒否しているというユーモアあふれる様子を表現しているようです。

拝殿には天井絵があります。

立派な天狗もたくさん飾られてます。

霊泉鶴の井戸

赤丸⑥

この水を飲むと一口目は自分の不老長寿、二口目は家族の不老長寿、三口目は親類縁者の不老長寿を念じながら飲むと良い的なことが書いてますが、現在この水は残念ながら塩分が強く飲めないようになってます。

御札所

赤丸⑦

お札やお守りはこちらで購入できます。

児安社・白龍権現社・夫婦恵比寿神社・花本大神碑

櫛田神社には他に数多くの神様がいらっしゃいます。

神様の大渋滞状態ですね。

赤丸⑧⑨

左奥から順に児安社(子育ての神様)、白龍権現社(白蛇の精で金運の神様)、夫婦恵比寿神社(夫婦円満・商売繁盛・大漁航海の神様でもあります)、右端に見える「花本大神」とは松尾芭蕉のことで、「蓬莱に聞ばや伊勢の初便」という句が刻まれてます。

みこし舎

赤丸⑩

日本三大くんちのひとつが櫛田神社の秋季大祭「博多おくんち」です。
1,200年前から続く秋の実りに感謝する伝統行事で、その際に使われる御神輿(おみこし)が格納されています。

 

二十二社

赤丸⑪

二十二社。天神地祇二十二柱を祀ってます。天候の神様です。天神地祇とは、天と地にいるすべての神様のこと。

末社

赤丸⑫ 8つの社があります。


向かって左から順番に

[石堂(いしどう)神社] 吾田片隅神(あたかたすみのかみ)と宗像三神を祀ってます。国防の神様です。

[松木(まつのき)天満宮] 菅原道真公を祀ってます。学問や書道の神様です。

[今熊野神社(手置帆負神社・少彦名神社)] イザナギ、手置帆負命(たおきほおいのみこと)、少彦名神を祀ってます。家内安全、工匠、林業の神様、健康の神様、薬の神様です。

[竈門神社(淡島神社・白鳥神社)] かまどの神様である奥津日子神(おきつひこ)奥津比売命(おきつひめ)、少彦名神、ヤマトタケルを祀ってます。炊事場の神様、健康の神様、鳥の神様です。

[皇大神宮] 豊受気媛神(とようけひめのかみ)を祀ってます。「うけ」とは食べ物のことで、イザナミの尿から産まれた食べ物の神様です。

[金刀比羅(ことひら)宮] 大物主神(おおものぬしのかみ)を祀ってます。航海の神様です。

[諏訪神社] 建御名方神(たけみなかた)を祀ってます。大国主の息子で、大国主がアマテラスから国を譲るように言われた際、アマテラスからの刺客であるタケミカヅチと戦った神様です。この戦い以来、建御名方神は諏訪から出られないようになってしまいました。なので、「神無月」でも諏訪だけは神様がいるという説があり、この二人の力比べが相撲の起源だとされています。

[松尾神社] 大山咋神(オオヤマクイノカミ)を祀ってます。酒造の神様です。

注連懸(しめかけ)稲荷神社

赤丸⑬

倉稲魂命(うがのみたま)を祀ってます。倉稲魂命は女神で伏見稲荷大社の主祭神、「おいなりさん」として広く信仰されています。五穀豊穣、商売繁盛、鍛冶の神様です。

大正天皇行幸記念殿

赤丸⑭

大正5年(1916)陸軍特別大演習に行幸の際に造られた御用材を使い、当初は県庁内に造られましたが、昭和31年(1956)に櫛田神社に移築されました。

神馬(しんめ)

青丸①

神馬とは、神様が地上にやってくる時の乗り物として神聖視された馬のことです。人間は乗ってはいけません。櫛田宮の紋が入っています。

座牛

青丸②

牛は天神さま(菅原道真公)の使いです。菅原道真と牛は関係が深く、神社に牛がいたら、菅原道真に関係がある神社ということです。また、この牛は撫牛(なでうし)とも呼ばれ、撫でると願いが叶うと言われています。よく撫でられているので頭がピカピカです。

飾り山

青丸③

「博多祇園山笠」の舞台である櫛田神社では、一年中飾り山笠を見物することができます。高さは10メートル前後です。櫛田神社に向いている方を「表」といい、こちらの面は表です。表の表題は「神話 海幸彦と山幸彦(しんわ うみさちひことやまさちひこ)」です。浦島太郎の話の元とされる日本神話を題材としてます。
飾り山笠の裏にも人形があります。この裏の面を「見送り」といいます。見送りの表題は「流星光底逸長蛇(りゅうせいこうていちょうだをいっす)です。上杉謙信と武田信玄の川中島の合戦をうたった詩の中にこのことばがあります。意味は「せっかくのチャンスを逃してしまうこと」です。

清道碑

青丸④

清道とは、山笠を奉納のために廻る円周状の道のことです。山笠をここから入り奉納されます。

清道

青丸⑤

山笠の時期は「清道」の旗が掲げられます。

櫛田の銀杏

青丸⑥

櫛田神社のご神木です。樹齢は約1,000年と言われており、福岡県の天然記念物です。

能舞台・博多歴史館

青丸⑦

7月15日、8つの流(ながれ)の櫛田入りが終わると、「鎮めの能」が能舞台で行われ、この能をもって無事奉納が終わったとなります。
また2月の節分祭では、くまもんなどのゲストを招き、豆まきが行われる場所です。

夫婦銀杏・力石

青丸⑧

夫婦円満、縁結びの樹されています。この夫婦銀杏の実で作られた夫婦恵比須神社縁結びのお守りは、ご利益があることで有名です。
古来より、神事として石を持ち上げて力試しをするとい風習がありました。有名力士が力自慢のため持ち上げられた石が奉納されています。朝青龍や貴乃花と刻まれた石があります。
持ち上げてみたい方へ、約100キロの「試石」があります。

博多塀

青丸⑨

荒廃した博多のまちを豊臣秀吉が再建した際、市街には焼け石、焼け瓦が厚く塗り込められた「博多ベい」と呼ばれる土べいが長く連なりました。櫛田神社の「博多べい」は約380年の風雪に耐えた最後の「博多ベい」を移築再建したものです。

北門

青丸⑩

南門

青丸⑪

キャナルシティ博多や川端商店街からアクセスしやすい入口です。

山留め

青丸⑫

山笠のスタート地点です。7月になると、この場所にやぐらが建てられます。

祭典・行事

大きな行事は3つです。

節分大祭(櫛田宮)

2月の節分祭は江戸時代から続く盛大なお祭りです。立春の前日に行われます。

日本一のおたふくのお面が門に登場します。ちなみに「おたふく」とは、天岩戸隠れで大活躍した女神、「アマノウズメ」という説があり、「おかめ」などとも呼ばれています。アマノウズメは芸能の神様であり、日本最古の踊り子です。
お祭りの期間中に境内に放たれた、赤鬼・青鬼に抱きつかれると厄落としになるといわれています。

博多祇園山笠(祇園宮)

7月1日から7月15日の早朝まで行われます。770年の歴史があり、国の重要無形民俗文化財です。
全国のお祭りの中でも300万人という動員数を誇ります。

博多おくんち(大神宮)

10月23日、24日に行われます。秋の豊穣に感謝するお祭りで、長崎くんち、唐津くんちと並ぶ日本三大くんちの一つです。
みこし舎から神輿を出し、牛車に曳かせ、博多のまちを練り歩きます。

アクセス

  • 住所 福岡県福岡市博多区上川端町1−41
  • 電話番号 092-291-2951
  • 駐車場 境内に参拝者用の駐車スペースあり(30分まで)近隣にコインパーキング多数あり
  • アクセス 地下鉄 祇園駅より徒歩5分 西鉄バス「キャナルシティ前」より徒歩2分 福岡都市高速呉服町ランプより約5分