博多といえば櫛田神社、「お櫛田さん」と呼ばれ愛されている博多総鎮守で,博多の人にとって櫛田(くしだ)神社は、地域や生活に密着した身近な存在です。
また、博多を代表するお祭り「博多祇園山笠」の中心となる神社でもあります。
日本総鎮守は愛媛県今治市にある大山祇(おおやまづみ)神社です。
櫛田神社を何倍も楽しむことができるよう、歴史や境内の見どころを詳しくまとめました。
ご祭神
案内板には「祇園宮」素盞嗚神(すさのおおおかみ※以下スサノオ)、「櫛田宮」大幡主大神(おおはたぬしおおかみ)、「大神宮」天照大神(あまてらすおおみかみ※以下アマテラス)と書かれており、3つの宮を祀ってます。
それぞれのご祭神はこちらです。

スサノオは、イザナギから産まれた三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)のひとりで、アマテラスとは姉弟です。

スサノオ
大幡大神はアマテラスに仕えたとされる神様です。

大幡主大神
アマテラスは日本神話で主な神様として登場します。

アマテラス


ご利益は縁結び、商売繁盛、夫婦円満、不老長寿です。
歴史
「祇園宮」「櫛田宮」「大神宮」はもともと別々の場所にありました。
社伝では757年、三重県松阪にあった櫛田神社を勧請(かんじょう)したことに始まるとされています。
松阪にあった櫛田神社のご祭神であった大幡主大神がアマテラスに仕える一族であったことから、アマテラスも一緒に勧請されたと伝えられています。
そして平安末期、平清盛が所領である肥前国 神埼(佐賀県神埼市)にある「櫛田宮」を日宋貿易の拠点とした博多に勧請しました(所説あり)。
戦国時代、島津藩との合戦で荒廃していた博多のまちを、1587年、九州平定に成功した豊臣秀吉が博多復興のため現社殿を再建、寄進し、今に至ります。
櫛田神社という名前の由来
佐賀県神埼市の櫛田宮のご祭神のひとりはクシナダヒメです。
クシナダヒメは櫛名田姫と書きます。全国にある櫛田神社では、その字の通りクシナダヒメをご祭神と祀っていますが、博多の櫛田神社だけはクシナダヒメを祀っていません。
祀ってないのにもかかわらず、「櫛田神社」になっている理由については、もともとはクシナダヒメを祀っていたという説があるようですが、真偽は不明です。
以上、豊臣秀吉が現社殿を再建したことは明らかですが、神社の名前の由来やその他の歴史については「諸説あり」という現状です。
境内
境内マップはこちら。
正門


干支恵方盤
赤丸② 正門をくぐると頭上に干支恵方盤があります。

手水舎・中神門


拝殿
赤丸⑤
拝殿の屋根の造形である破風(はふ)には風神雷神の木彫りが掛けられています。



拝殿には天井絵があります。


立派な天狗もたくさん飾られてます。
霊泉鶴の井戸

御札所

児安社・白龍権現社・夫婦恵比寿神社・花本大神碑
櫛田神社には他に数多くの神様がいらっしゃいます。
神様の大渋滞状態ですね。

みこし舎
日本三大くんちのひとつが櫛田神社の秋季大祭「博多おくんち」です。
1,200年前から続く秋の実りに感謝する伝統行事で、その際に使われる御神輿(おみこし)が格納されています。
二十二社

末社
赤丸⑫ 8つの社があります。
向かって左から順番に
[石堂(いしどう)神社] 吾田片隅神(あたかたすみのかみ)と宗像三神を祀ってます。国防の神様です。
[松木(まつのき)天満宮] 菅原道真公を祀ってます。学問や書道の神様です。
[今熊野神社(手置帆負神社・少彦名神社)] イザナギ、手置帆負命(たおきほおいのみこと)、少彦名神を祀ってます。家内安全、工匠、林業の神様、健康の神様、薬の神様です。
[竈門神社(淡島神社・白鳥神社)] かまどの神様である奥津日子神(おきつひこ)奥津比売命(おきつひめ)、少彦名神、ヤマトタケルを祀ってます。炊事場の神様、健康の神様、鳥の神様です。
[皇大神宮] 豊受気媛神(とようけひめのかみ)を祀ってます。「うけ」とは食べ物のことで、イザナミの尿から産まれた食べ物の神様です。
[金刀比羅(ことひら)宮] 大物主神(おおものぬしのかみ)を祀ってます。航海の神様です。
[諏訪神社] 建御名方神(たけみなかた)を祀ってます。大国主の息子で、大国主がアマテラスから国を譲るように言われた際、アマテラスからの刺客であるタケミカヅチと戦った神様です。この戦い以来、建御名方神は諏訪から出られないようになってしまいました。なので、「神無月」でも諏訪だけは神様がいるという説があり、この二人の力比べが相撲の起源だとされています。
[松尾神社] 大山咋神(オオヤマクイノカミ)を祀ってます。酒造の神様です。
注連懸(しめかけ)稲荷神社

大正天皇行幸記念殿

神馬(しんめ)

座牛

飾り山


清道碑

清道

櫛田の銀杏

能舞台・博多歴史館

また2月の節分祭では、くまもんなどのゲストを招き、豆まきが行われる場所です。
夫婦銀杏・力石



博多塀

北門
南門
キャナルシティ博多や川端商店街からアクセスしやすい入口です。
山留め

祭典・行事
大きな行事は3つです。
節分大祭(櫛田宮)
2月の節分祭は江戸時代から続く盛大なお祭りです。立春の前日に行われます。


博多祇園山笠(祇園宮)
7月1日から7月15日の早朝まで行われます。770年の歴史があり、国の重要無形民俗文化財です。
全国のお祭りの中でも300万人という動員数を誇ります。
博多おくんち(大神宮)
10月23日、24日に行われます。秋の豊穣に感謝するお祭りで、長崎くんち、唐津くんちと並ぶ日本三大くんちの一つです。
みこし舎から神輿を出し、牛車に曳かせ、博多のまちを練り歩きます。
アクセス
- 住所 福岡県福岡市博多区上川端町1−41
- 電話番号 092-291-2951
- 駐車場 境内に参拝者用の駐車スペースあり(30分まで)近隣にコインパーキング多数あり
- アクセス 地下鉄 祇園駅より徒歩5分 西鉄バス「キャナルシティ前」より徒歩2分 福岡都市高速呉服町ランプより約5分