打ち切りの為、中途半端に終わってしまったアメリカンゴッズ。
シャドウの正体を知るため、完結している小説を読んでみました。
この記事ではシャドウの正体について考察します。
小説のネタバレありです。

正体3つの説
小説の中でも残念ながらシャドウの正体はこれ!という答えは出てきません。
なのであくまでも「説」となります。
小説の内容から推測できたものと海外の反応を交えつつ、それをまとめました。
バルドル(北欧神話の神)説
バルドルは北欧神話、オーディンの息子です。
バルドルは北欧神話の中で「光の神」とされ、美しい見た目をした神様で、名前は「白」や「善」に由来します。
しばしば戦士とみなされ神様としては崇められず、「忘れられた神」とされています。
理由4つ
- オーディンの息子である
- ローラがシャドウを探す時、ローラには終始シャドウは光って見えていた
- 「シャドウ」という名の意味の「影」の反対語が「光」
- 世界樹に吊るされ絶命したのち甦る
シャドウはミスター・ウェンズデイ(オーディン)の息子だとはっきりわかっています。
オーディンにはこどもがたくさんいましたが、その中でも・・
ローラにはシャドウが光って見えていたことという点。
単純にローラの執着によるものとも考えられますが、シャドウが光の神・バルドルだからと考えると納得です。

引用:starz
シャドウという名前について、いつも人の影に隠れていたからという明確な由来を作中で述べられています。
名前の由来は実はまだあって、人々に忘れられ、自分が何者であるかさえも忘れてしまっている「隠された光」であるが故の「シャドウ」(影)からきているのではという推測です。
シャドウは世界樹に吊るされている間、ラグナロク中である神々に会い、その後甦ります。
バルドルもラグナロク後に甦ることから、理由のひとつにあげました。
スカディ(北欧神話の神)説
スカディ(スカジ)は北欧神話において、山と雪の神様で、スカンディナヴィアの語源にもなった神様です。
理由2つ
- スカディの語源は「影」
- 作中でシャドウは念で雪を降らせる
スカディという名前は、古代ゲルマン系民族言語の「skadus(影)」が由来になっています。
シャドウはシーズン1エピソード3、シーズン3エピソード10で念で雪を降らせることがありました。

引用:starz
この2つからスカディ説もあると思うのですが、スカディは男神ではなく女神です。
シャドウは男なので、女神と考えると違うという気もします。
半神→新しい神説
シャドウは人間である母と神であるオーディンから産まれた、半分人間半分神様という状態です。
半神はギリシャ神話に登場する、人間と神とのハイブリットであるヘラクレスが有名です。
ヘラクレスは12の難問を解決する偉業を成し遂げ、死後神になったとされます。
理由1つ
- 偉業を成し遂げ甦る
神が甦るのは神話でよくある話であることと、ラグナロクにて神々を説得し戦争を終わらせるという偉業を成し遂げたことにより、シャドウが半神から新しい神へと生まれ変わったという説です。
この新しい神には名もなく、超人的な力もありません。
シャドウのキャラクターは個性的ではなく、ごく一般的な普通のひとりの男です。
誰から崇拝されなくてもただ一生懸命に生きる、いわゆる人間に神を見出すという考え方そのものが神であるとしたら、面白いなと思います。
シャドウの正体を考察してみて
シャドウが何者であるかを知るために小説を読んでみましたが、シャドウの正体はわりとどうでもよかったように思います。
作者はシャドウが何者であるかは重要ではなく、生き方や考え方を伝えたかったのではと感じました。
ラグナロクにてシャドウは「自分は崇められなくてもいい。ひとりの人間としてただ生きたい」と告げ、それに同意した神々たちは戦うことを辞め、戦いは終わりました。
ドラマ・アメリカンゴッズを観た当初は微妙な難解なドラマだと思ってましたが、小説を読んでみると、壮大なスケールと幅広い神話の話、一見複雑そうでとてもシンプルなメッセージが込められていて、とても面白かったです。
小説はドラマ・アメリカンゴッズがなんとなく好きな方は読んでみる価値ありです。
シャドウが何者なのかを自分なりに考察するのも楽しいですよ!